わたしが大切にしていること

Interview .01 | ⁩ 中村 明枝先生 Pick Up
Woman Principal Investigator

Interview .01 | 支えられて歩んだ小児がん医療の道、
そして研究へ

成育で初めて行われた「女性PIスタートアップ」の支援を受け、「小児がん経験者の内分泌晩期合併症の発症機序解明」について 研究を進めている中村明枝先生にお聞きしました。

中村 明枝 国立成育医療研究センター
分子内分泌研究部 基礎内分泌室 室長

2023年3月まで、北海道大学病院で内分泌を専門とする小児科医として勤務していましたが、北海道大学病院は全国で15ある小児がん拠点病院の1つであったため、多くの小児がん患者さんの診療を行っていました。私は内分泌が専門のため、がん治療に直接関わる事は多くありませんでしたが、このような患者さんは、がん治療終了後、長期にわたり晩期合併症を発症するリスクがあります。中でも内分泌に関連する晩期合併症が多く、多くの小児がん経験者の患者さんを診療する機会がありました。

しかし、当時は内分泌医が小児がん患者さんのフォローアップに前向きに携わるシステムがなく、多くの課題に直面する事となりました。そのため、血液専門医と内分泌専門医で協力して前向きに患者さんをフォローアップしていく新たな体制を構築しました。特に子育てをしながら勤務している女性医師たちが中心となり新たな体制を構築し、お互いに情報を共有しながらスムーズに診療を行い、早期に内分泌晩期合併症の診断ができるようになりました。しかし、それでもなお治療に難渋する患者さんが多く、内分泌晩期合併症の発症機序を解明する研究の必要性を強く感じ、現在に至ります。

私が今回受けた女性PIを支援する制度は、多様な立場の人々がそのスキルを最大限に発揮できる環境構築のためにも必要で、さまざまなライフイベントを経験しながら働く仲間たちにとって、とても重要なことだと思っています。今回の支援への感謝を胸に、研究を進めていきたいと考えています。

中村 明枝 国立成育医療研究センター
分子内分泌研究部 基礎内分泌室 室長

旭川医科大学卒業。
北海道内の市中病院で小児科の臨床研修を経て、小児科専門医を取得。
北海道大学大学院博士課程を修了し、内分泌専門医取得。
大学院修了後、国立成育医療研究センターで共同研究員としてインプリンティング異常症に関する研究に従事。
北海道大学病院で助教授、講師を経て、2024年より現職に着任。